【雑記】本屋の存在意義と今後生き残る方法の持論
とある記事を見て「文教堂」が破産寸前まで行ってることがわかりました。
「文教堂」に限らず本屋さんが潰れていっている傾向にあるので、ちょっと記事にしてみます。
冒頭でいったとある記事は下記です。
事業再生ADRっていうのには聞き覚えがないのでちょろっと調べましたが、1年以内に経営再生ができれば上場維持できて、ダメなら上場廃止にするというシステムのようです。このあたりは門外漢なので触れないようにしておきます。
はじめに
本屋といえば筆者が高校生くらいまではかなりの頻度で入り浸っていた種類の店です。今はわかりませんが、当時は遊戯王が全盛期で本屋でカードが売っていて、かつ、駄菓子なんかも置いてあったので、入り浸るには最適でした。近所には記事でピックアップされている文教堂なんかもあったりしてなかなか想い出深い本屋でした。調べたら結構前に潰れて別の店になっていましたが・・・。まぁ実家を離れて5年以上経つのでそりゃ近所の状況なんかわからないですよね。
タイトルにも書きましたが存在意義とか生き残る方法をバカなりにまとめましたので、生暖かい目で見守ってください。
なぜ本屋が減ってきているのか
記事にもありましたが本屋が年々減少傾向にあり、売上も右肩下がりで落ちてきているようです。なぜこのようになったのか持論をまとめました。
電子書籍の台頭
いきなり話の方向がおかしいですが、これ無しには本屋の云々は語れないのでまずはこっちからです。
歴史の古いものだと1970年代から電子書籍っていう媒体は存在していたみたいです。筆者が知っている範囲だとガラケー向けのアプリが90年代~00年代初頭にかけてあったのは知っていましたが、通信速度であったり、ガラケーの画面サイズ(当時は3インチあったらバカでかい部類)の都合上、まだ紙媒体の方に軍配が上がっていました。
が、2007年、AmazonからKindleが発売されました。このあたりから文庫本サイズのタブレットではないですが、電子書籍リーダーが登場しはじめました。個人的にはすげーサービスができたんだなぁと思いつつ、まだ紙媒体を使用していました。
その後2010年、みんな大好きiPadが発売されました。筆者は持ってないけど・・・
一般的にこの年が電子書籍元年とか言ったりするそうです。
記憶が正しければ2013年くらいから筆者は電子書籍に移り始めました。理由としては、ラノベメインで読んでいたんですが、筆者は面白い作品は何度も読み直すという習性があり、その間も新しい作品が出ては購入していました。が、やはり保管場所にも限界がありますし、多ければ多いほどその作品を見つけるのに時間がかかります。そんな時にAmazonKindleのことを思い出し、なんとなく電子書籍を購入してみたところ便利ということがわかったので、それ以降は基本的に電子書籍で購入するようにしています。
とまぁ2010年くらいが書店業界のターニングポイントになるんですかね。
本屋の動向
上で2010年が云々と言いましたが実際出版業界について調べてみるとそうでもないようです。
記事のデータが2016年のものと若干古いですが、グラフを見てみると、
2006年、つまりKindleリリースの前の年から徐々に売上も店舗も右肩下がりになっていることがわかります。たしかにそのくらいの頃から「若者の本離れ」なんて、「~離れ」が流行っていましたからね笑
筆者はラノベも読みますが、その他にも漫画はもちろんですし普通の文庫だったり、パソコンに興味があったのでそれの専門書とかも購入していましたので「~離れ」の流行には乗れていなかったんですね。
話がそれましたが、本屋が廃れる原因は電子書籍ももちろん理由の一つとして考えられるのでしょうけど、そもそも現代人が本から離れていってるのが根本の原因として考えられて、その決定打として電子書籍の登場っていうのが本筋なのではないかと思います。
電子書籍の推移
前項で本屋の推移と衰退した理由を考察しましたが、対して電子書籍の推移はどうでしょうか。
今度は去年のデータなので最新ですね。
ここで言うことではないですが、こういうデータをニュースリリースみたいな形にするんではなくて官公庁で管理してくれないですかね・・・。いざいろんな業界のデータを見たい時にいろんなサイト行くのめんどくさいですし・・・。まぁ今回の記事みたいに「社団法人」が出しているデータなのでなんとなく察せますが・・・。
愚痴が漏れてしまいました。
さて本題に戻りますが、
このグラフを見ると、本全体としての販売金額は落ちてきていますが、電子書籍の販売金額の割合がどんどん増えてきていますね。
本を読み続けている層が徐々に電子書籍に移行していることが読み取れます。特に2015-2016年の推移が顕著ですね。販売金額の差は100億程度ですが電子書籍単体で見ると400億程度増えています。直接影響があるかはわからないですが、2016年はAmazonのKindleUnlimitedサービスがリリースされた年でした。
といった感じで電子書籍の販売金額は今後も増え続けていく傾向にあるんじゃないかと予想します。
エンターテイメントの多様化
これが一番大きな理由でしょうね。
ガラケー時代からアプリが発達したり、携帯ゲーム機の普及と外でできる娯楽も昔に比べて激増しています。
ついこの間公園を通ったんですが、最近の子達は遊具で遊ぶために公園に行くのではなく、ゲームをやってるんですね。いやマジでビビりました・・・。
自分が子供の頃は公園はギャーギャー騒ぐところで、ゲームは誰かの家でっていうのが当たり前の世代だったのでなんとなく時代を感じてしまいました・・・。
他にもスマホの普及で大人の暇つぶしはスマホでって言うのが当たり前になっていますね。電車とか乗っても紙媒体といえば新聞くらいで本を読んでる人は珍しいと感じます。また、ネットに繋がってさえいれば誰とでもコミュニケーションが取れるので本を読んで暇つぶし・・・なんて発想にはならないんでしょう。
今回の件とは関係のないびびったことですが、悪意はないですが学生のスマホ画面を見えてしまった時に、LINE→Twitter→なんかよくわからんSNSのループと常に何かしらの通知が来てそれに反応するというのを高速で繰り返していました。その光景を見た時になんか縛られている気がして窮屈そうに感じました。なんというか一人の時間がないと言うか・・・。
またもやそれましたが、エンターテイメントの多様化によって本は衰退してるんじゃないかと考えます。
本屋の存在意義
さて前項までで出版業界の動向についてまとめました。簡単に言うと、
- 出版業界としては右肩下がり
- 引きづられるように書店の数も右肩下がり
- だけど電子書籍の市場はどんどん大きくなっている
という感じですね。
これだけ見ると本屋って要らなくね・・・?という思いも出てきますが、筆者としては半分賛成、半分反対といった感じです。
なぜか。
というのが理由です。
ラノベに始まる文庫本系は電子書籍に移行して問題ない
いきなり暴論ですがそのままの意味です。
メジャーになりつつある6.5インチスマホの大きさ
→縦14.36cm 横8.09cm
文庫本の大きさ
→縦14.8cm 横10.5cm
と、ほぼ文庫本と同じ大きさになりつつあるんですね。筆者的には5インチがベストサイズですが今回の記事とは趣旨が違うので文句だけにしておきます笑
大きさはほぼ一緒なので、読むという観点で言えば十分代替可能な媒体になっていると思います。もっと言えばiPadに始まる9~11インチタブレットならば更に大きい画面で見れるようになります。
また、電子媒体なので場所の心配はしなくて良いですし、クラウドも併用すればファイルサイズの心配も払拭されます。
実際使用してみた感じ、特に紙じゃないから戻したいと考える理由がなく、メリットしか感じないので電子書籍に移行しても問題ないのではないかと考えました。
雑誌という媒体は衰退してネットメインになる
こちらは賛否両論あるんでしょうけど、「雑誌」と言われて思いつくのは、「ジャンプなどの漫画系」「ファッション系」「旅行系」「趣味系」くらいでしょうか。
漫画系は置いておいてその他の3つは完全ではないにせよネットに移行しちゃってますね。漫画系の雑誌に関してはちょろっと調べれば出てきますが、4半期毎に発行部数が落ちてきています。
例えばファッションで言えば、個人で情報が発信しやすくなった今、雑誌というものに頼らずとも個人間で見聞きできてしまうので不要になってしまいますね。他にもネットの発達によって各ショップでコーディネイト出来てしまったり、そもそもファストファッションが流行っていると多様性がすごいので雑誌というくくりではくくりきれないんじゃないかと思います。
趣味系なんかはその傾向が顕著だと思っていて、それごとのコミュニティがネット上に形成されているのでもはや雑誌という形態は廃れていくんじゃないかと思います。
旅行も同じで個人間でやり取りができるので、特に情報を仕入れなくても勝手に情報が入ってくるので、特に雑誌から情報を得る必要はないと考えられます。
専門書などは実物でほしい
これは逆に本屋が存在してほしい理由です。
他の業界は知らないですが、IT業界に居ると意外と本を読む機会が多いです。何故かと言うと資格のお勉強の為、新しい言語のお勉強の為、日本語訳された技術本、と機会は様々ですが割と読みます。
中でもお勉強関連は紙媒体であってほしいです。なぜかというと、1ページ以上前に戻って読むことが多いからです。今してる解説が10ページ以上前とか1章前のことなんてザラなので、ふと読み直したい時にパラパラっと戻りたいので、お勉強関連に限っては紙媒体でほしいのです。章単位で戻るのは実装されてるリーダーありますし、ページはシークバーでって言うのもあるのは知っているんですが、ここの利便性は紙媒体の方に軍配が上がりますね。おそらくここは絶対に揺るがないと思います。電子媒体で再現できる機能にも限界がありますので。パラパラ戻る機能みたいなのが実装されたらわかりませんけどね笑
また、専門書って言うのは当たり外れがあります。IT業界でいうと出版社で足切りはできるんですが、それでも実際に中身を見て買うか決めます。Amazonのなか見!検索機能で最初は読めるんですが全体の把握は出来ないので、本屋で流し読みして購入して熟読というのが筆者の専門書の購入方法です。ネットで買ったほうが安いのは知っていますが、どうしても1日のラグができるので専門書に限っては間違いなく書店で購入する唯一の本になります。
結論
本屋が無くなっても良い賛成・反対意見を出しましたが、たくさんはなくても良いけど大型書店が近所にあると便利かなーと言った感じです。小さくとも専門書を取り扱う書店があると良いなと感じます。また本離れ・電子書籍への移行という側面からもニッチな本を取り扱う本屋っていうのもありだと思います。有名な本はAmazonなどのネットショップで購入できるので、後述しますが棲み分けするのが今後出版業界が生き残る手段だと思います。
今後生き残る方法
前項で触れてしまいましたが棲み分けをしていくことが今後生き残っていく手段だと思います。
ネットショップに店を構える
電子書籍も一つの要因と言いましたが、またもやAmazonとかに購買層が食われているのも要因になっていると思います。正式なソースが見つからなかったんですが、出版会社だったか書店だったかがAmazonに対して本の販売を許可しない的な動きがありました。
筆者的にはこれは完全に悪手だと思いました。なぜなら、購入場所を選ぶのは企業ではなく購入者つまり顧客だからです。
じゃあ何が好手なのかというと、迎合することです。
具体的に言うと、Amazonでショップを開くことですね。要はAmazonに客が流れてるのはわかっていたので、本は出版業者もしくは書店を通すように運べばいいので、〇〇書店 Amazon支店を開けばよいのではないかと思いました。
もちろん国のお金にまつわる問題なので国として動いてもお釣りが出るくらいの規模なんじゃないかと思います。
一般書籍は諦める
これも極論なのであまり良い手段ではないですが、今の御時世ネットに勝るのには相当なアイディアマンが必要になります。特に本のようにネットだけが要因ではない場合、コンテンツとしての質を上げる必要がありますが、スマホアプリのような単純な娯楽にはなかなか勝てないと思います。
なので一般書籍からは手を引かないまでも重きを置かないようにしてニッチな本であったり、専門書に特化した書店を作るか、東京のどこだったか忘れましたが1冊の本を全力で売る書店、本以外の付加価値をつける。のいずれかだと思います。
最後に
ネットで買うデメリットが考えづらい現状なので、企業として戦うのも大事だと思うんですが、土俵と土台が違うというのを今一度認識した上で戦う方法を模索したほうが良いと思います。
筆者的には本屋がなくなると困ることが多いので全部なくなるという自体は避けてほしいところですが、対抗策を講じられないのであればそれもやむ無しで、都市部にある大型書店に足を運ぶというのも購入者からすると仕方がないと思います。
書店に限らずネットショッピングに食われている業界は多いと思いますが、なぜ食われて、なぜ帰ってこないのかを検討したほうが良いように見えます。
以上が本屋に関する持論になります。
長々と読んでいただきありがとうございました!